南 伸也 先生

見えていれば教えなくてもいい。どんどん自分で育ってくれます!

南 伸也 先生

みなみ歯科・矯正歯科(東京都)

EVK800(10倍)  High Intensity

「サージテルの世界を知ると、自ら成長して自信をつけていってくれるので本当にラクです。僕は遠目からゆる〜く見ているみたいな」
そう言って笑う南伸也先生は、組織づくりとその発展にサージテルを活用しています。
なぜ、スタッフ全員に使用を義務づけているのか? その先に何を見ているのか? "歯科医師としてのこだわり"や"経営者として描く未来"をお聞きしました。

南先生は"職人のDNA"を受け継がれていると聞きました。
どういうことでしょうか?

僕の実家って工場なんですね。生まれたときから機械や工具が身近にあって、それを見るのがすごい好きでした。だから、歯医者へ行っても自然と器具に目がいくわけです。自分の番じゃないときは、ほかの患者さんの歯を削っている様子をじーっと見て楽しんでいました。

歯科医師になってからも工具好きは変わらず、自分が使う道具にこだわり出したら止まりません。道具って最初に何を使うかが肝心なんです。なぜなら、自分のベースをつくるから。たとえばズルズル下がってくるような拡大鏡だったら、「重っ、ダルっ、イヤっ」ってなっちゃいます。目も疲れるし。そんな経験をしたら使わなくなりますよね。そうなると、それが自分のベースになってしまうんです。

小学生から職人の父のもとで手伝いをしていたので、技術力がいかに重要かということは子どもながらに感じていました。繰り返し練習をし、研鑽を積んで積んで積み上げる。それが絶対に必要です。いち早く1年間の研修会に参加したのも、そのため。知らないことが多くて愕然としましたが、だからこそ得るものも大きかったですね。けっして秘蔵のテクニックとかではありません。どちらかというとベーシックなこと。でも、そのベーシックなことを確実にできるかできないかで歯科医師人生は大きく変わってくると思うんです。

2.5倍からスタートされましたが、実際にサージテルを使ってみてどうでしたか?

勤務医3年目にいろいろ試し、最終的にサージテルの2.5倍に決めました。軽さといい、スタイリッシュな見た目といい、群を抜いていましたね。何よりもサージテルは、「これを使わないと治療しても意味ないな」って思わせてくれた唯一の拡大鏡。それくらい見える世界が違います。

とはいえ、最初は使い方がわからなくて難しかったです。なかなか慣れず、半年ほど眠らせていた時期もあります。そんなとき、知人の紹介で尊敬する先生の医院を見学させてもらえることに。それまで教わる人がいなかったので、サージテルを着けるタイミングすらわかりませんでした。メガネみたいにずっと着けっぱなしなのかなとか、着けたまま患者さんと話すのってどうなのかなとか……。先生の動きを観察しながら、「あっ、ここで着けるんだ」「ここで外すんだ」というのがわかって、それを真似しました。

さらに感銘を受けたのが、使うものを絞り込んでいることです。厳選された数少ない器具を常にきちんと整理整頓されている。過剰にアピールすることなく、普通のことを普通にできる先生のスゴさや熱意を感じることができ、見学させていただいて本当によかったと思いました。

その後、6倍、10倍と倍率アップされました。
何がそうさせたのでしょうか?

8年目の開業と同時に、「もっと倍率を上げよう」と思って6倍を相棒にしました。6倍を使い始めると、まるで2.5倍が裸眼のようなイメージに。この世界を知っちゃったら、もう元には戻れないですね。

あまりに見えるから、意外と変なところも気になっちゃいます。タービンから出てくるスプレーって本当にカタログどおりの出方をするんだなとか、噴射された霧状の粒子がピシューって見えたりとか……。

あとは湿潤麻酔法の針の温度が違うのか、だんだん結露していくんです。裸眼だったらぜんぜん見えませんが、サージテルだと結露していく様子が見事に見える。「キレイだなぁ」なんて思いながら、まるでアートを鑑賞しているような気分になりますね。健康な歯肉の表面がどれほど美しいかもわかるし、とにかくいろいろ観察できるんです。

そうこうしているうちに、「根治ももっと見えるようになりたい」と思うように。それで10倍を導入しました。まだ見えていないものがあるんじゃないか、2.5倍から6倍にしたときと同じように今度は6倍が裸眼的な感覚になるんじゃないかって。さすがに裸眼感覚にはならなかったですね(笑)。今は全般的には6倍、根治は10倍で使い分けています。

サージテルを導入して13年、もはや相棒を飛び越えて"空気"みたいなものになっていますよ。もしなくなってしまったら"引退"ですね。これがないと歯科医師として"呼吸"ができませんから!

スタッフにもサージテルの使用を義務づけているのは、なぜですか?

スタッフにはいつも言っています。最高の道具を使い、きちんと技術を学んでいこうぜって! その入り口として、見えているものが同じじゃないと議論になりませんよね。僕は全員そろってサージテルを使うことで、はじめて品質管理ができると思っています。必須だということは面接のときからハッキリ伝え、そのうえで歯科衛生士には貸し出しをし、歯科医師には入る前に購入してもらいます。もちろん、他の拡大鏡じゃダメですよ。サージテル限定で!

大切なのは、自分ができていないことに気づくこと。そのためには基準を定める必要があります。そうじゃないと自分ができているのかできていないのかもわかりませんよね。サージテルをかければ、それが一発でわかるんです。実際、まだ2年目の歯科衛生士が「これがないと診療できない」と言い始めています。たまにチラッとスケーリングした後を見るのですが、何も教えていないのにうまくなっているなぁって。ほかのスタッフもみんな、「なくてはならないもの」だって口にしていますよ。

見えればわかる、見えていれば教えなくてもいい。サージテルの世界を知ると、自分でどんどん成長して自信をつけていってくれるので本当にラクです。僕は遠目からゆる〜く見ているみたいな(笑)。

成長を続けるスタッフたちと、
どんな未来を創ろうとされているのですか?

「技術職は安売りしちゃいけない」

父から教わったことです。だから僕は、絶対に安売り対決には参入しません。価格を下げたら最後、消耗戦になっていくだけですからね。逆に技術を高め、人間を磨き、患者さんの信頼を得ていく。心の底から「あなたにお任せします」と言ってもらえるくらいになれば、値段じゃなくなります。価値を決めるのは僕らではない。患者さんなんです。

そのためにも、スタッフには一段でも二段でも高みへと成長してもらいたい。仮に別の医院に転職したとして、そこの先生に「使えないね」なんてことは絶対に言わせません。嫁に出しても恥ずかしくない的な、親心ってやつですね。

今はまだ小さな個人商店かもしれませんが、信頼のおけるスタッフたちと一緒にちょっとずつ大きくしていきたいという夢があります。そして、将来的には治療をなくしたいんです。スタッフに導かれて患者さんが成長し、自分できちんとメインテナンスできるようになる。つまり、僕が必要なくなるってこと。それが僕の創り上げたい医院ですね。