横井 宏幸理事長

車を売ってでも、
〝10倍の世界〞を
手に入れたかった!

三輪 和輝先生

クラウン歯科名古屋中村院(愛知県)

EVK800(10倍) SurgiCamHDライトシステムキット

「自分が患者だったらどんな治療をしてもらいたいか。僕の医療観はすべて、そこがベースになっています」

そう話すのはクラウン歯科名古屋中村院の院長、三輪 和輝先生。
〝自分が受けたい治療〞を突き詰めていったとき、避けて通れなかったのが〝拡大視野〞だったといいます。
初めて手にした5倍のサージテル、そして現在は10倍へ。
倍率をステップアップしたときの心境や、積み重ねた経験の先に見据える将来像についてうかがいました。

歯科治療が行なわれるのは、一円玉より小さな世界

三輪先生

患者さんに治療について説明するとき、僕はよく一円玉のたとえ話をするんです。むし歯や歯周病の治療はものすごく緻密な世界で行なわれていて、一円玉に書かれた令和の「令」の点の字を削るようなもの。実際の治療部位はそれよりもさらに小さいわけですから、かなり精密な作業になりますよね。だからこそ当院は、拡大鏡を使った治療にこだわっている。このことをきちんと伝えるようにしています。

というのも、初診でいらした患者さんに診療結果をお話すると、「今までの歯医者さんで言われたことと違う」となってしまうことがあるんです。たとえばクラックが原因でむし歯ができていた場合、「歯にヒビが入っているなんて言われたことなかったのに……」とショックを受けられる方もいて。でもそれは、裸眼では見つけられなかったけれど、大きく拡大したら発見できただけのこと。以前に通っていた先生の所見が間違っているわけではなく、〝見えているものが違う〞という話なんです。

そもそも僕の医療観のベースは、「自分が患者だったらどんな治療をしてほしいか」にあります。専門的な視点からさまざまな選択肢を提案してもらって、その中で最善の手を尽くしてもらいたい。そうなると裸眼ではなく、拡大視野で診査診断・治療をしてくれる先生にお願いしたいと思うのは当然じゃないですか。拡大する大切さを伝えることは、患者さんに「ここにお願いしてよかった」と安心感を持ってもらうためでもあるんです。

後悔したくないから、10倍のサージテルで即決!

僕が初めて拡大鏡に出合ったのは、今から10年ほど前の勤務医時代でした。医院が所有する5倍のサージテルを借りて診療していたのですが、分院長になる話をいただいたのを機に購入しようと決意したんです。

僕の場合、最初から10倍のサージテルで即決でしたね。8倍も選択肢には入れていましたが、性格的に「やっぱり10倍にしておけばよかった!」となるのは明白だったので。当時はお金がなく、自分の車を売って資金を調達しました。それくらい手に入れたい世界だったんです。

ただ、いざ10倍を使い始めたときには正直ちょっと戸惑いました。「これ本当に使えるのか!?」と……。倍率が高いと、息をするだけで視野全体が動いてしまうんです。焦点を合わせるのが難しいというか。裸眼から5倍になったときよりも、ギャップは大きかったです。それでも使いこなしている先生はいるわけですから、自分にもできるはずだと信じて使い続けました。

結局、1週間くらいで慣れましたね。患者さんがマウスピースを初めてつけるときや補綴が新しいものに変わったときの感覚と、きっと同じだと思います。最初は使いづらいかもしれないけれど、違和感さえなくなれば「めちゃめちゃいいじゃん」って!慣れて初めて自分のものになるのだと実感しています。

サージテルを使うことで、「慣れ・経験・熟練」が手に入る

三輪先生

10倍のサージテルにしてよかったと感じるのは、形成するときです。特に6、7番といった奥の歯を形成する際に、だいたいの位置感で削るのか、ちゃんと見えて削るのかでは結果がまったく変わってきます。

あとは、やはり根管治療。たとえば上顎の大臼歯に、まれに4本目の根管が存在することがあります。その第4根管を探すのって本当に難しいんですよ。見えにくいうえに器具も届きにくい。歯根の数が増えるほど、難易度は高くなります。トレーニングを積んだベテランの先生なら「どのへんに存在するのか」という予測がついて感覚で探せるかもしれませんが、僕らくらいの経験値のドクターが裸眼で見つけるのは至難の業。だからこそ、10倍できちんと確認できたときは感動しましたね。

そういう意味では極論、「サージテルを使う」=「慣れ・経験・熟練が手に入る」だと思っています。研修医から上がったばかりのころは、ゲームでいうところの「冒険者レベル1」みたいなもの。いろいろな患者さんと向き合っていく中で5、10とだんだんレベルアップしていきますよね。サージテルを使っている人と使っていない人では、そのスピードに差が出てくるのではないでしょうか。「なんとなくこんな感じかな」と感覚で10回治療をして到達できるレベルに、「こうだ!」と確信を持って5回で到達できるイメージ。同じ症例数、同じ患者数でも、1回1回の治療で得られる経験値がぜんぜん違うんです。

患者さんを知り、寄り添い、真剣に向き合える歯科医院へ

精度の高い治療を積み重ねることで熟練度が上がる――。

当院に加入する若いドクターたちには、ぜひ経験してもらいたいと考えています。特に今年は新卒も入ってくるので、サージテルの提供は必須ですね。

若くても治療が上手な人はいるかもしれませんが、一般的に考えれば僕ら常勤歯科医師のほうが場数を踏んで技術的には上をいっているはずです。加えて、自分たちはすごく見えているのに新卒の先生は見えていないとなると、技術力の差は広がるばかり。患者さんにとっては、ベテランの先生も若手の先生も同じ〝先生〞なんです。だとしたら、クオリティの差を縮めるための方法を模索しなければいけません。その入り口となるのが、サージテルなのだと思います。

僕が目指しているのは、〝患者さんと真剣に向き合える歯科医院〞です。

●コミュニケーションを大切にし、患者さんのことを知る
●治療の利点や欠点をきちんと説明する
●患者さんも納得したうえで治療計画を進める
●精度の高い治療と結果に満足してもらう

サージテルを使うことでスタッフの成長スピードが速まり、経験をスキップしてしっかり伸びてくれれば、必然的に医院全体の治療の質は上がります。全員分のサージテルを導入するのに何十万円、何百万円というコストがかかったとしても、医院の発展につなげられるのならペイできると思っています。

〝価値ある個〞が団結するドクター集団をつくりたい

名嘉眞 武人先生

先ほどもお話しましたが、高倍率の拡大鏡を導入しようと決めた一番の理由は、分院長を任されたこと。つまり、医院のトップに立つことでした。今までの勤務医の立場とは違う、ほかのドクターがヘルプを求めてくるポジションで、自分は彼らより常に一歩先を進んでいなければならない。今思うと、あのときが歯科医師として成長するターニングポイントだったのかもしれません。その変わり目で拡大視野を追求したことは、院長という重要な役目を担ううえでの自信にもなりましたね。

今後も勤務医は増やしていく予定です。すべての歯科医師が自信を持って診査診断・治療できる集団をつくっていく。これは僕の夢の一つでもあります。そのためにも、若いドクターにはいち早く経験を積んでほしい。勤務歴など関係なく、価値ある歯科医師として活躍してほしい。それにはサージテルが欠かせません。

少し前に口腔内カメラ『サージカム HD』を導入したのも、スタッフ教育に活用できると思ったからです。僕も昔はよく院長先生の治療を遠くからのぞいていましたが、見たいところがぜんぜん見えなくて。サージカム HDなら術者の視野をそのまま映し出せます。見ている側も学びが大きくてうれしいかな、と。そうやって「慣れ・経験・熟練」の度合いを上げていったスタッフたちと共に、〝自分がしてもらいたい治療を提供できる医院〞を確立していきたいです。