最初に、スタディグループなどでの活動を通して、先生が若手の歯科医師について思っていることを教えてください。
一番言いたいのは、基本的なことをもっと大切にしてほしいということですね。ベテランになればなるほど、基本が大切だとつくづく感じます。
なかでも基本中の基本は3つほどあります。どんな治療にも通じることですが、すべてサージテルが必要になるんですよ。まず1つは、「きちんとした道具」を揃えること。特に見る道具、つまり拡大鏡はすべての治療に関連してきます。しっかりと見ることによって、初めて正確な診査・診断もできるようになります。
2つ目は「姿勢」。背筋がピンと伸びて、両脇が締まっているか。この姿勢を取らなければ良い治療はできません。絶対にしてほしくないのは、のぞき込むような姿勢で顔を近づけて両脇を開いてしまうこと。サージテルをつけると最初に作業距離が決まるので、自然と正しい姿勢になるんです。
そして3つ目は「繊細さ」。特に外科では〝大胆に〟と言われることがありますが、逆ですね。〝繊細に、繊細に〟です。そのためにはサージテルもある程度高い倍率がなければいけないし、ライトで視野を明るくする必要もあります。