治療と予防の分業化で患者さんの満足度を上げる!

当院は、平成元年に僕の父が開業しました。当初から予防歯科を掲げ、「治療後は悪くならないように定期的に通うことが大切です」と患者さんに伝え続けています。ただ、医院がオープンしたばかりの30年前はまだ予防の概念が定着していなかった時代。来院されるのは治療を求める患者さんばかりで、口腔衛生管理に興味を持つ方はほぼいませんでした。父もかなり苦い思いをしたようです。
僕に代替わりした現在は、定期受診につなげるべく新たなシステム構築をしようと試行錯誤しています。たとえば、治療と予防を完全に分業制にしたのもその一つです。治療は僕が行ないますが、口腔内検査やメインテナンスといった予防に関することは歯科衛生士にすべて任せています。そうすることでお互いの専門性を高めることができ、口腔衛生のプロフェッショナルとして歯科衛生士にもより強い責任感が生まれますから。
そして、これを実践するにあたり導入したのが、歯科衛生士が使うための拡大鏡です。僕が治療で使用しているのと同じ、6倍の『サージテル』を使ってもらっています。最初のころは3倍を貸与していたのですが、歯石の取り残しがあったり、カリエスを見落としていたり……。拡大しているにも関わらず、意外とチェック漏れが多かったんです。かといって「見逃しているよ」と指摘したところで、6倍と3倍では見え方がまったく違います。彼女たちも努力のしようがないですよね。同じ情報を共有し、整合性を高めるために、メーカーも倍率もそろえることにしました。
