保坂 太紀先生

映像は、
〝患者さんの理解と興味を
深めます!

保坂 太紀先生

ほさか歯科(岐阜県)

EVK450(6倍) SurgiCamHDライトシステムキット

尊敬する歯科医師のもとで経験を積み、実家であるほさか歯科で勤務することになった保坂太紀先生。
働く環境が変わるにあたり、どうしても外せなかったのが口腔内カメラ『サージカムHD』の導入だったといいます。

「ふだんの診療から6倍のサージテルを使っていますが、それを記録するカメラの存在も欠かせなかったんです」

この言葉に込められた想いと、口腔内カメラを併用するメリットについてお話をうかがいました。

治療への理解が深まり患者さんが前のめりに

保坂先生

口腔内カメラはもともと、以前勤めていた医院で使っていたんです。口の中の状態を患者さんに見ていただいたり、院長のオペの記録を見て勉強させてもらったり。自分の施術を振り返る際にも重宝していましたね。写真のように瞬間を切り取るのではなく、すべてのシーン、すべてのプロセスを残せる。術後の経過が思わしくないときも、原因を推測して改善につなげることができるんです。

なかでも活用していたのは、患者さんへの説明時。治療を終えた後、「今日はこんなことをしました」と過程を動画でお見せするんですね。患者さんの反応は明らかに違いますよ。「むし歯ってこんなふうに治すの?」と、みなさん興味津々。治療への理解が深まるというか、前のめりになってくれるんです。

映像に釘付けになっている患者さんを見ていると、今までたくさんの治療を受けながらも何をされているのか知らないまま来てしまったんだなというのを実感します。術後に写真を見ることはあっても、せいぜい治療前・治療中・治療後の3場面じゃないですか。

その点映像は、どこがどう悪いのか、どんな治療をしてどうよくなったのか、すべての工程がわかるので自然と興味が沸くのだと思います。口腔内カメラがあれば、患者さんの興味と理解は間違いなく深まる。それが『サージカムHD』を導入した一番の理由です。

患者さんのデンタルIQが必然的に上がります

ほさか歯科にとって口腔内カメラの導入は初めての試みですが、さっそく成果が出ています。これまで通ってくれていた患者さんのデンタルIQ が上がっているのを感じますね。この点こそ、口腔内カメラを活用する最大のメリットじゃないでしょうか。

特に響いていると感じるのは、歯が軟化している映像をお見せしたとき。インレーを除去してカリエス部分の軟化象牙質がボロボロ取れるシーンは、かなりのインパクトを与えています。そもそもカリエスってどんなものか知らない人がほとんどですし、本来硬い歯があんなにやわらかくなること自体が衝撃なんでしょうね。

「なんでこうなっちゃうの?」と聞かれるので改めて治療前の映像を見てもらうと、メタルの辺縁が上がって隙間ができているのがわかる。その画面を見ながら、メタルは経年劣化の影響でどうしても二次カリエスが避けられないという統計的な話をすると、自らセラミックを希望されるケースが多いです。患者さんのデンタルIQが上がると同時に、結果として自費率も上がっているという感じですね。

ちなみに、サージカムHDの映像は全体が映る定点カメラ的な視点ではなく、歯科医師の目線で捉える術者視点。だからこそ、患者さんの共感が得られやすいのだと思います。

口腔内カメラは、スタッフ教育にも大活躍

保坂先生

口腔内カメラの活用法はほかにもあります。その一つがスタッフ教育です。たとえば歯周治療の様子を歯科衛生士さんにも一緒に見てもらって、オペ前のTBIやSRPの精度を上げてもらうようにしています。

というのも、歯科衛生士さんはブラインドの状態で探知しながらSRPをしているので、どうしても歯石の取り残しが出てくるんです。フラップを開けて歯石が残っているのを見て、「SRPをしてもポケットが改善しなかった理由はこれだね」って。歯科衛生士さんにとって、今までにない大きな学びになっていると思います。

それと、歯科技工士さんにインプラントのオペを見てもらうこともあります。自分の作った補綴物がどういう過程で口腔内にセットされるのか、意外と知らなかったりするので。精密な補綴物を作るための何かの参考になれば、さらなる協力関係につながりますよね。

僕は将来的に、ほさか歯科を〝どんな患者さんが来ても投げ出さずに診れる医院〞にしたいと考えています。実現するには、スタッフ全員で同じレベルの意識を持つことが大切。口腔内カメラを使ったスタッフ教育は、その一環です。高度な知識や技術を共有することで、お互いに高め合えているのを感じます。

自費診療を希望するのに、「田舎だから」は関係ない

保坂先生

 僕がほさか歯科で働くことになったとき、院長である父親から言われたんです。「ここは田舎だから、自費の治療を受けてくれる患者さんはほとんどいないぞ」と。

 正直、それを聞いてすごく不安でした。精度の高い治療をすることで歯を10年、20年と維持できている症例はたくさんあるし、本当の意味で患者さんの健康を考えたら、自費診療が必要になることが多くあると思っていたからです。

ところが実際は、きちんと説明することで多くの方が自費診療を希望されました。もちろん、その一助となったのがサージカムHD。口腔内カメラの導入によって患者さんが自分の口としっかり向き合ってくれるようになり、自費に移行してくれる方が増えたんです。「ここもメタルなんだけど変えたほうがいいですか?」と自ら気づいてくれる方もいますし、モチベーションがどんどん変わっているという感覚です。

結局、田舎だからというのは関係なく、今まではただ自分の口腔内の状況を知る機会が少なかっただけなのだと思います。歯科に限らず、自分が理解していないことに高いお金を払う人はいません。現状の問題と、それを解決するための方法がしっかり腑に落ちれば、患者さんはちゃんと最善の選択をしてくれます。その最善の選択に対して、自信を持って応えられる医院を目指したいです。