患者さんを家族と思い、自分が受けたい医療を提供する
僕の信念は「患者さんを家族と思い、自分が受けたい医療を提供する」こと。転院してきた患者さんのお話を聞いていると、「その先生は自分にそれをやる? 家族にやるの?」と思うようなことが少なくありません。身内だったら絶対にやらないはずのことを患者さんにやろうとしている。どう考えたっておかしいですよね。
常に最大限の力を発揮し、ベストだと胸を張れる医療を目指す。その前提となるのが、サージテルで〝よく見ること〞なんです。見えるからこそ、ごまかしようがないし言い訳もできません。ちょっとしたズレも「なんとかしなきゃ」という思いに駆られます。問題点に気づけて、検証ができて、フィードバックもしやすい。こと医療に関しては、どれだけ気づけるかがすべてといっても過言ではないと思います。
僕がまだ1、2年目のときは裸眼でした。もちろん経験も浅い。うまくいかなくて、根管治療中にパーフォレーションを起こしてしまったこともあります。埋伏の抜歯でも、無駄に削ったり出血させてしまったり……。見えていたらどこが出血点かわかるし、必要以上に削る必要もないですよね。形成にしたってカリエスの取り残しなのか、マージンなのか、実は亀裂に問題があったのかとか。そこに気づければ、その瞬間その時点でダイレクトに自分の経験として吸収できるんです。